6月27日
彼女の憎しみはほどけない。
そう確かに思ったはずなのに、
この空間に取り込まれた若者が――
ケーキを灯し、
ぬいぐるみを元の場所に返してくれたみたいだ。
自分はどれだけ彷徨ったか分からないけれど、
現世との繋がりが絶たれた場所ならば、時の流れが止まっていても不思議ではない。
そうなると、たとえ私が帰れたとしても、
本当に帰る場所なんてもうなくなっているかもしれない。
そう考えると、あの子は最後あの若者に祝ってもらえてよかった。
私も水道水と酒で生きてきたような体だけれど、
こんなときくらいケーキで、さよならを言ってもいいかもな。
こんな暗い場所とはおさらばして、あんたも次へと進むんだ。
君の骨のそばに、若者がペンギンとクマのぬいぐるみを置いてくれたからな。
一人じゃない。
遅くなったが、誕生日おめでとう。